【公務員の基礎知識9】筆記試験の概略
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公務員採用試験の第一関門となる筆記試験の概要から見ていきましょう。筆記試験は一般に、1次試験で課されるわ。方式は択一式(多肢択一式)で実施されるものと、記述式で実施されるものがあるの。
記述式の筆記試験は2次試験で課される場合がある他、実施自体は1次試験ですが評価は2次試験において行われる場合もあり、採用試験によって異なるため注意が必要です。
1次試験で出題される科目はたくさんあるって聞いたことがあるよ・・・
そうね、択一試験には教養試験・専門試験・適性試験などが、記述試験には専門記述試験や論作文試験などがあって、その中に複数の科目が入っているの。国家一般職と東京都庁Ⅰ類B(行政・一般方式)を例に筆記試験をまとめるとこうなるわ。
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教養試験と専門試験・・・たくさん科目があるんだね。勉強が大変そう・・・
大丈夫よ、すべての科目を選択しなくていいことが多いし、重要な科目を効率的に学習すれば、早期に筆記試験は合格レベルに達することができるの。とはいえ、勉強量はある程度あるのでなるべく早めに学習を開始するのに越したことはないわね。教養択一、専門択一ともにポイントとなる科目だけまとめておきましょう。
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択一試験についてさらに詳しくみる
択一試験には、論理的思考力や教養の程度を判定する教養試験、専門的知識の程度を判定する専門試験などがあります。
マークシート方式で実施され、問題に対する解答は設問中に用意された選択肢1.~5.の中から一つを選んで解答用紙にマークします。
必須解答制の場合や選択解答制の場合がありますが、いずれも30問~50問の問題に対し90分~210分の制限時間で解答します。高得点を目指すには、1問あたりの時間配分を考慮し、効率よく解答することがポイントになります。
また、出題科目は多岐にわたり、出題全体に占める1科目あたりの出題数が少なく、1科目あたりの出題範囲も広いため、受験対策では、十分な過去問分析による的を絞った効率的な学習が欠かせません。
択一教養試験(基礎能力試験)についてさらに詳しく見る
採用試験の種類にかかわらず、ほとんどの場合で教養試験が課せられています。
その出題科目の内訳は、大きく一般知能と一般知識の2分野に分けられています。
一般知能には、数的処理や文章理解が、一般知識には社会科学・人文科学・自然科学の各科目があり、2分野合計で20科目程度の科目構成になっています。
【筆記試験(教養択一)の学習法1】主な教養科目の概要に進む
択一専門試験についてさらに詳しく見る
大卒程度の国家公務員(司・立・行)や広域自治体(県庁)・政令市等の地方公務員の採用試験においては、一般に専門試験が課せられます。事務区分の出題科目の内訳には、法律系・経済系・行政系などの科目があり、合計で20科目程度の科目構成になっています。
ただし、採用試験によっては選択解答式のものがあり、その場合は出題されるすべての科目を解答する必要はなく、科目や問題を任意に選択できます。
【筆記試験(専門択一)の学習法1】専門科目が出題される主な採用試験に進む
次は苦手とする人も多い記述試験について見ていくわよ。記述試験には、択一試験では判定の難しい専門科目の理解度を判定する専門記述試験や、文章表現力や社会常識・素養などを判定する論作文試験などがあるわ。
なるほど、択一式の試験だけでは測れない部分を評価しているんだね。制限時間内に文章を書くの苦手だから、しっかり準備しないと・・・文字数とかは決まっているのかな?
一般的な形式では、与えられた課題についての考察を600字~1600字程度でまとめ、60分~120分の制限時間内での記述を求められることが多いわ。頻出のテーマをまとめておきましょうね。
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文章書くの苦手だから…早めに頻出テーマや過去問を参考に練習を始めないとだね。
文章を書くことを苦手としている受験生が多いから練習をしていくと大きくリードできるところでもあるわ。主要なテーマについては、しっかりと情報を入れておかなければ全く書けないことも想定されるから、択一試験の勉強と同じくなるべく早期に練習を開始することが必要よ。
わかったよ!下準備を早めからしっかりするようにするね。
論作文試験についてさらに詳しく見る
事務系を中心とする多くの採用試験では、論作文試験が課せられます。基本的な作文能力はもちろんのこと、社会情勢に関する知識や見解、自己の価値観に関するものなど、人物的素養をも判定要素に含まれます。論作文の実力の確認には第三者による評価も欠かせません。十分な論作文対策を講じておく必要があります。【論作文試験攻略のコツに進む<工事中>】
専門記述試験についてさらに詳しく見る
大卒程度の採用試験の一部では、専門記述試験が課せられます。事務系では、国家公務員総合職、国税専門官、財務専門官、衆議院事務局職員総合職・一般職、参議院事務局職員総合職、裁判所職員総合職・一般職、東京都Ⅰ類A、東京都Ⅰ類B(一般方式)などで実施されます。事務系で出題される科目には、法律系で憲法・民法・行政法、経済系で経済学・財政学、行政系で政治学・社会学・行政学などがあり、それぞれの科目に応じた課題が与えられます。
また、資格免許系・技術系などの採用試験では、専門知識に関する穴埋め問題なども出題され、警視庁では国語試験として漢字の読み書き問題が出題されます。【専門記述試験攻略のコツに進む<工事中>】
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